復活への想い
ここふるさと万倉地域で、伝統ある山口県指定無形民俗文化財である「岩戸神楽舞」の継承が、2008年を最後に途絶え、私自身、忸怩(じくじ)たる思いを抱いていました。
しかしながら、この度の復興事業で、万倉校区内外から多くの御支援をいただき、たくさんの御縁を結ぶことができましたことに心から感謝しています。
この復興事業は、万倉地域の次世代を担う人材の育成にも大きく寄与することとなり、さらには校区外の方々との相互協力体制が構築できるなど、地域に及ぼす効果は、とても大きいと確信しています。
これからも是非、多くの方々に万倉地域の「岩戸神楽舞」に興味を持っていただきたいと思っています。また、次世代への文化遺産の継承と、文化遺産を核とした地域活性化を目指して活動している“小さな地域の大きな挑戦“に対して、さらなる継続的なご支援をいただきますようよろしくお願い致します。
舞の次第は、太鼓・笛・摺鉦の五調子囃子に合せて神楽舞の一番、二番、三番、三宝の舞、榊の舞、剣の舞と続き、祝詞の舞では奉納の祝詞を奏上します。以上各座の舞はいずれも採物の舞で、神のもつ採物によって悪魔切祓いの所作を中心とするものです。その間の神楽舞の二番には天邪鬼(随神)の滑稽が加わり、神楽舞と三宝の舞には掛け歌が伴います。三宝の舞と榊の舞の間には、独特の天蓋操作があり、神降臨の神態を摸出しています。ついで、岩戸の舞、姫の舞、鬼の舞の三座はそれぞれ天岩戸の神話を仕組んだ舞で、この神楽が岩戸神楽舞といわれるゆえんをなしています。最後に弓の舞では、四方八方への特殊な祓納めの呪術を帯びる弓の所作が行われ舞い納められます。この神楽舞が神への奉納舞である事で、神を拝して始め、神を拝して終わることは、基本法則です。
岩戸神楽舞保存顕彰会
会長 矢原 久登